(07/02/14撮影)
![]() 夫を送る 成島やす子 大8~ さがし物ありと誘(いざな)ひ夜の蔵(くら)に明日征く夫は吾を抱きしむ (『昭和萬葉集・巻六〈昭和十六年~二十年〉』講談社昭和54年90頁) ※先の戦争中の人々の思いが歌に詠まれています。「出征兵士」となった夫を送り出す妻です。
Kコースの、1998年度入学生の作品です。初めての一人暮らしです。母のありがたさが身にしみます。
(1) 「ごはんまだ?」 叫んでみても 出てきません 一人ぐらしは たいへんです (2) 「おふろまだ?」 私がやらねば たまりません 一人ぐらしは めんどうです 57577や575を読み慣れないうちは、型(かた)を守りましょう。いわゆる、「字余(じあま)り」「字足(じた)らず」を添削して、直すのです。 (1)は、57676。(2)は、58676。両首とも、内容は、おもしろい。そこで、添削をしてみます。 (1)「ごはんまだ?」 叫んでみても 出てこない 一人ぐらしは てまひまばかり (2)「おふろまだ?」 自分でせねば 入れない 一人ぐらしは めんどうばかり どうでしょうか。他にも直しようがあると思います。試してみてください。 (06/10/27撮影 藤袴〈フジバカマ〉らしいです)
『漱石全集』第17巻(岩波書店1996年)は、「俳句・詩歌」が収められている。
俳句の作品数は、多い。明治22年(1889年)から大正5年(1916年)までの作品の通し番号は、「2499」である。それに年月不詳が加わって、合計2527句が載せられている。 短歌は、9首。番号も付けられていない。その中から7番目と8番目を抜き出す。 高麗百済新羅の国を我行けば我行く方に秋の白雲 肌寒くなりまさる夜の窓の外に雨をあざむくぽぷらあの音 ![]() 心中をせんと泣けるや雨の日の白きこすもす紅きこすもす 与謝野晶子・さくら草 (大岡信監修『短歌俳句 植物表現辞典 歳時記版』遊子館2002年391頁) ※「与謝野晶子」は、「よさの・あきこ」と読みます。コスモスは、メキシコ原産だそうです。花言葉が、「乙女の心」。短歌・俳句で詠まれるのは、明治以降のようです。「心中」は、「しんじゅう」でしょうね。 こういう詩も見付けました。 コ ス モ ス 一本(いつぽん)のコスモスが笑つてゐる。 その上に、どつしりと 太陽が腰を掛けてゐる。 そして、きやしやなコスモスの花が なぜか、少しも撓(たわ)まない、 その太陽の重味(おもみ)に。 (神保光太郎編『与謝野晶子詩歌集』白凰社、昭和63年新装版第8刷38頁)
98/05/04 購入後、書棚の片隅に置いたままでした。『寺山修司コレクション①全歌集、全句集』思潮社1992年第1刷、1993年第2刷、1,560円(込)。その冒頭です。
燃ゆる頬 森番 森駈けてきてほてりたるわが頬をうずめんとするに紫陽花くらし とびやすき葡萄の汁で汚すなかれ虐げられし少年の詩を わが通る果樹園の小屋いつも暗く父と呼びたき番人が棲む ![]() (06/09/28撮影)
土屋文明編『子規歌集』岩波文庫1997年第22刷
明治31年 ベースボールの歌 久方のアメリカ人(びと)のはじめにしベースボールは見れど飽かぬかも 今やかの三つのベースに人満ちてそぞろに胸のうちさわぐかな ※「ベースボール」を「野球」と翻訳したのは、正岡子規だそうです。 ![]() ![]() 「蜂」は、春の季語。これは、アシナガバチ(足長蜂)でしょうか。 あしながばち スズメバチ科の昆虫の一群。体は六脚二翅で、頭、胸、腰の三つの部分が明確にわかれている。体色は赤褐色で黒褐色の線がある。細身で脚は長い。飛ぶときに中脚を下げて飛ぶのでさらに長く見える。人家近くに生息する。木材をかじり取り、唾液でかため、下向きの蓮の実に似た巣をつくる。 夕(ゆふ)青き微光のなかをあがりゆく足長蜂は脚(あし)を垂らせり 北原白秋・桐の花 すずめばち スズメバチ科の蜂。体長三~四センチで日本最大。体色は胸部は黒褐色、腹部は黄褐色で黒い横縞がある。腹部に毒針を持つ。木材を噛んで練り、段階状で、周辺を球形の壁で覆った巣をつくる。この巣を露蜂房(ろほうぼう)といい、薬用となる。 (大岡信監修『日本うたことば表現辞典③―動物編』遊子館1998年。下線は引用者) ※う~ん、スズメバチか? とすれば、近づきすぎたかも。(^_^;) ※※少し調べてみました。「フタモンアシナガバチ」に似ています。
その子二十(はたち)櫛(くし)にながるる黒髪のおごりの春のうつくしきかな
清水(きよみづ)へ祗園(ぎをん)をよぎる桜月夜(さくらづきよ)こよひ逢ふ人みなうつくしき やは肌のあつき血汐(ちしほ)にふれも見でさびしからずや道を説く君 (与謝野晶子『みだれ髪』新潮文庫2000年) ※気に入った歌、気になる歌、気に留めた歌をメモする。くちずさんでみる。
つけまつげ、まゆずみ、くちべに
次々と少女化けゆく昼の車内に 丹波 真人(たんば・まさんど) 『花顔(かがん)』(平一五)所収。「白昼堂々」といえば、以前はあまりいい意味では使われない言葉が続いて出てきたものだったが、ここに歌われている「少女」はもちろんそんなことお構いなし。まわりの同車の連中など眼中にない。このような少女たちが出現してくるのを見ると、時代が平安朝末期とか室町時代のいわゆる乱世のころにさかのぼっているような気さえする。そのころも都には、似たような女たちがいたようだ。 (大岡信「折々のうた」朝日新聞2004年12月26日朝刊) ※やはり、この題材を詠む人がいるのですね。先を越されました。 【追記07/03/13】参考文献:米澤泉(よねざわ・いずみ)『電車の中で化粧する女たち――コスメフリークという「オタク」』ベスト新書104、KKベストセラーズ2006年 < 前のページ次のページ >
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